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Channel: 西園寺由利の長唄って何だ!
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勧進帳−5

勧進帳−5 酒を飲み干した弁慶は、 ここで「延年の舞」を舞い、富樫に手向ける。 これは寺の遊僧(芸能担当の僧)が行事や法会の際に舞うもので、 参拝者の長寿を祈念する意味合いを持つ。 これから死が待っている富樫に、 長寿を祝う舞いを手向ける弁慶。 舞が終盤に近づくと、弁慶は舞いながら四天王に目配せをして 皆をまず逃す。 そして、弁慶は笈を背負い、金剛杖を手にし、 富樫に頭を下げて後を追う。...

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賤機帯−1

賤機帯−1 賤機(しずはた)とは、倭文(しず)という麻布を織る機のことで、 それで織った帯を倭文機帯(しずはたおび)という。 身分の賤しい者が着用したので賤の字を当てて「賤機帯」と題した。 この曲は杵屋三郎助(4世)の作曲で、 文政11年(1828)に山王神社の本祭で初演された。 内容は謡曲「隅田川」と「桜川」をアレンジした、狂乱もの。 我が子梅若を人買いに攫われて狂女となった母が、...

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賤機帯−2

賤機帯−2 「笹の小笹の風いとい  花と愛でたる うない子(童子)が  人商人に誘われて  行方いずくと 白木綿の  神に祈りの道尋ね」 「蝶よ花よと育てた我が子が、人さらいに連れられて 行方知らずになってしまった。神のご加護にすがりこうして尋ね歩いている」 と、まずは狂女の心境を綴る。 能でいえば、名乗りにあたる。  「浮きて漂う岸根の舟の  こがれ焦がれて いざ言問わん  我が思い子の...

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賤機帯−3

賤機帯−3 隅田川の渡し場で狂乱している女を、舟の客が囃す。 「舟人これを見るよりも  よい慰みと 戯れの  気違いよ 気違いよと  手を打ちたたき 囃すにぞ」 「気違い」という言葉は、江戸時代の始めに生まれた言葉だそうで、 それまでの「物狂い」の新バージョンといった感覚だろう。 「気違い」は1670〜80年代頃まで使われていて、 その後「乱気」「乱心」という言葉も使われるようになったという。...

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賤機帯−4

賤機帯−4 舟の客に「気違い、気違い」と囃された狂女は振り返り、 「情けない…」と嘆く。 「物に狂うは我ばかりかは  鐘に桜の物狂い  嵐に浪の物狂い  菜種に蝶の物狂い  三つの模様を縫いにして  いとし我が子に着せばやな…」   ● 物に狂うのは私だけではないぞ、 鐘に桜、嵐に浪、菜種に蝶、みんな物狂いだ。 この三つの模様を刺繍にして、かわいい我が子に着せたいものよ。...

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賤機帯−5

賤機帯−5 「我が子はどこにいるのか、どうぞ教えてくだされ」と 狂う女を舟の船頭がからかっていう。 「それその持ったる 掬い網に  面白う花を掬いなば  恋しと思うその人の   ありかを教え参らせん」 「何 面白う花を掬えとか  いでいで花を掬わん」 すくい網で川に浮いた桜の花びらを掬えという船頭。 狂女は川に入り、一心不乱に掬う。 この部分に「花掬いの合方」というのが入るのだが、...

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賤機帯−6

賤機帯−6 狂女が一生懸命花を掬っているのに、 無慈悲な風が花を散らす。 「あらこころなの 川風や  人の思いも白浪(知らない)に  散り浮く花を 掬い集めん  心して吹け 川風」 その川風で女の黒髪が乱れるが、 それを結ってくれる人もいない。 船頭はその姿をあまりにも哀れと思い、客たちを諌める。  〓 〓 〓 tea break・海中百景 photo by 和尚   

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賤機帯−7

賤機帯−7 原曲となった能の「隅田川」ではこの後船頭は、 女を舟に乗せてやる。 向こう岸の柳の陰に大勢の人が集まっているのを、 いぶかしく思った客が船頭に訳を聞くと、 「人さらいに連れられた子供が、去年の今日ここで行き倒れ、 今日は大念仏がおこなわれる」という。 女がさらに聞くと、その子の名前は梅若丸、 年の頃は12歳、父は吉田の某という。 「何と、まさしく探し求めていた我が子!」...

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今日スーパーの鮮魚売り場に、 鰆(さわら)が出ていました。 瀬戸内あたりでは今が旬です。                先日は義妹が鰆の押し寿司を作ってくれました。 押し寿司も、鰆の頃の郷土料理です。 今日は身のほうではなく、 おいしそうな白子を買いました。 塩胡椒をして、小麦粉をまぶし、 バージンオイルで香ばしく焼きます。 ソースは、ポン酢を少し煮つめてバターを加え 和のテイストであさりと。...

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大坂芸大 

今日は大坂芸大の授業日でした。 午後1時20分から、3コマのレッスンで、6時10分まで。 結構疲れます。 ですから、2コマ目のクラスは人数がちょっと少ないので 少し早めに切り上げて、 かってにコーヒータイム。いいのかな? 今日はここで池を見ながら。クッキー&コーヒー!          丸い池にステージがあり、周りが階段ベンチの観客席になっているのです。 おしゃれな空間ですよね。...

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庭木の消毒

緑のきれいな季節になり、嬉しいかぎりですが、 このタイミングでちゃんと木を消毒をしておかないと あっという間に虫だらけになってしまうのですよ。 そんな訳で、今日は消毒の日でした。 表の植え込みとか、笹などは私がやりますが、 もみじや桜は背が高すぎて、長い脚立に乗ってやらなければ 届きません。 和尚は説教で不在のため、 今日は若院主に手伝ってもらいました。 全部で3時間ほどかかりましたが、...

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ひかり号

今日東京に戻りました。 岡山からわけあって新幹線のひかりに乗りました。 岡山始発だったこともあってか、私の乗った車両は 私以外、誰もいません。 ちょっと不安でしたが、次の駅でも誰も乗って来ません… やはり皆さん、のぞみですよね。 新神戸あたりからちらほらと乗って来て、 ほっとしました。 しかし、考え方によってはゆったりと、 すいてていいかもしれません。 私の連休はこれで終り、明日から仕事です。...

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お次は?

「泣けます、長唄」のタイトルで 「靭猿」「楠公」「横笛」「勧進帳」「賤機帯」 を書いてきたが、次がない! 例えば「範頼道行き」「鳥羽の恋塚」などは、あわれを誘うが、 泣くまではいかない。 案外とないものだと、改めて思った。 次は「笑えます、長唄」とでもいきましょうか。  〓 〓 〓 クリスマスローズの季節がやってきました。

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分福茶釜−1

分福茶釜−1 群馬県館林市に、茂林寺という曹洞宗の寺がある。 この寺は「分福茶釜」で有名な寺だ。 この茶釜は、お伽噺によると、 茂林寺の裏山に棲んでいたたぬきの家族が 食うに困り、茶釜に化けた父さんを、人間に化けた母さんが道具屋に売った。 その釜を買ったのが茂林寺の和尚さんだ。 寺に帰った和尚さんが茶釜を火にかけたところ、 たぬきは熱さをがまんできず...

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東京スカイツリー

今日は昼間、ちょっとした会があり、 そのあと、夕方から東京スカイツリーのレセプションのリハーサルが 現場でありました。 押上駅直にある、スカイツリーには係の人の誘導で入りました。 地上345メートルのレストランが控え室です。 ここは只今、開店準備のまっただ中。 カップルが座って下界を眺める席で三味線を準備しました。 この光景、なかなか見られないですよ。...

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分福茶釜−2

分福茶釜−2 この曲芸が大当たりで、 古物屋さんはたちまち大金持ち。 分け前をたっぷりもらったたぬき一家は山へ帰ろうとしたのだが、 どういうわけか、お父さんたぬきが茶釜になったまま、 もとの姿にもどれない。 これは和尚さんを騙した罰だ、 と思い茂林寺に行って謝るのだが、 一向に姿はもとに戻らない。 和尚さんはこの茶釜を飾り、 参拝客に見せるようになった。...

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東京スカイツリーその2

今日はあいにくのお天気で残念だったのですが、、 昨日から始まったオープニングセレモニーで 三味線を弾いてきました。 地上350メートルの展望フロアーに作られた 特設会場です。        雲がかかっていて、下界はごらんのように霞の中でしたので、 いらしたゲストの方々にはお気の毒なことでした。 後列左より、今藤政子、杵屋秀子、今藤郁子、長十郎氏、長由利、杵屋三澄氏。...

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カチカチ山−1

カチカチ山−1 杵屋勝三郎が慶応元年(1865)に作った「昔噺たぬき」は、 「分福茶釜」と茂林寺の説話のほかに、 昔ばなしの「カチカチ山」も取り混ぜて脚色している。 昔々、ある所におじいさんとおばあさんがいました。 おじいさんは畑仕事に精を出し、せっせと種をまくのですが、 いっこうに芽がでません。 近くに悪いたぬきがいて、おじいさんのまいた種を残らず食べていたからです。...

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坂上レストラン

今日は坂出から弟が来ました。 北海道への途中フライトで、東京の知人と会うためです。 彼は西園寺の本堂、庫裏を設計した相田設計事務所の専務さんで、 設計当時から気の合う仲間でした。 福井氏。 弟は説教でよく北海道に行くのですが、 時々こうして彼と飲むのを楽しみにしているのです。 弟。西園寺住職、和尚です。 話はつきず、酌めどもつきず、のしどけなさですが、 楽しい時間でした。

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分福茶釜−3

分福茶釜−3 茂林寺に伝わる話はこうだ。 茂林寺の開山、大林正通に従って館林に来た老僧守鶴は代々の住職に仕えていた。 ある時千日法会を催すこととなり、守鶴がどこからか茶釜を持ってきた。 その茶釜は不思議なことに、汲めども汲めども湯が尽きることがない。 守鶴はその釜を「分福茶釜」と名付け、 この茶釜の湯を飲めば八つの功徳が授かるだろうという。 あるとき守鶴はうかつにも、寝ている姿を見られてしまった。...

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