賤機帯−2
「笹の小笹の風いとい
花と愛でたる うない子(童子)が
人商人に誘われて
行方いずくと 白木綿の
神に祈りの道尋ね」
「蝶よ花よと育てた我が子が、人さらいに連れられて
行方知らずになってしまった。神のご加護にすがりこうして尋ね歩いている」
と、まずは狂女の心境を綴る。
能でいえば、名乗りにあたる。
「浮きて漂う岸根の舟の
こがれ焦がれて いざ言問わん
我が思い子の 有りや無しやと狂乱の
正体なきこそ文なけれ」
● 川岸に漂う小舟を漕ぐように、漂い漂いここまで来た。
私の可愛い子供は、生きているの死んでいるのか、
どっちでしょう、どっちでしょう、と狂い乱れる女、
形振りかまわぬ姿がなんとも哀れだが、そのかいもない。
〓 〓 〓
tea break・海中百景
photo by 和尚
「笹の小笹の風いとい
花と愛でたる うない子(童子)が
人商人に誘われて
行方いずくと 白木綿の
神に祈りの道尋ね」
「蝶よ花よと育てた我が子が、人さらいに連れられて
行方知らずになってしまった。神のご加護にすがりこうして尋ね歩いている」
と、まずは狂女の心境を綴る。
能でいえば、名乗りにあたる。
「浮きて漂う岸根の舟の
こがれ焦がれて いざ言問わん
我が思い子の 有りや無しやと狂乱の
正体なきこそ文なけれ」
● 川岸に漂う小舟を漕ぐように、漂い漂いここまで来た。
私の可愛い子供は、生きているの死んでいるのか、
どっちでしょう、どっちでしょう、と狂い乱れる女、
形振りかまわぬ姿がなんとも哀れだが、そのかいもない。
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tea break・海中百景
photo by 和尚
