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Channel: 西園寺由利の長唄って何だ!
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風流相生獅子−5

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「石橋」−1

菊之丞の「相生獅子」は、本行(能)の「石橋」をぐっと解釈替えしたものだが、
本行がどんなものかを知らないことには、どう違えたのかも分からない。
まずはきちんとした「石橋」の歌詞を知っておく必要があるだろう。

のちに(相生獅子から約100年後の1830年)に杵屋六左衛門(10代目)が
外記節に残る「石橋」を復元したものが、
いわゆる正統といわれる、以下に記す「石橋」だ。


寂昭法師が唐に渡り、清涼山の石橋を渡ろうとやって来る。
ここは能の名のりにあたる部分。

『是は大江の定基出家し 寂昭法師にて候
 我 入唐渡天の望み候て 波濤を越え
 是は早 石橋にて候
 向かいは文殊の浄土 清涼山にて候程に
 此の辺りに休らい 橋を渡らばやと
 思い候』

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