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Channel: 西園寺由利の長唄って何だ!
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「昔噺たぬき」−2

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「昔噺たぬき」−2


次は、
背中に大やけどを負って寝込んでいる、たぬきの源さんを
からかう女郎たぬきという設定。

「オヤ 源さん
 どこへ穴っぺいりをしておいでだえ
 もし ちょっとお寄りなよ
 
 ヨセ ひどいことをするな
 まだ 背中の火傷がなおらねえ
 
 お気の毒 ここに狸のあんぽんたん
 呑んでくだ巻く 
 エゝのうまくさまんだ ばさらんだ
 狸にござる 法印さん」

穴っぺいり、とは女や遊び場にしけ込むことの意。
ここは、すみかの穴蔵で寝込んでいる源さんを
引っぱり出そうとする女郎たぬきが、
「あんたもまったくあんぽんたんだね、これでもお飲みよ」と
唐辛子味噌ならぬ、妙薬反魂丹をすすめる。

それに酔った源さんが、
法印さんのふりをして真言の経を唱えるというおふざけ。

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tea break
photo by 和尚

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