大連放送局

大連放送局


中国では最後の皇帝、溥儀が日本の関東軍によって
満州国の皇帝に擁立された（1934・昭和9年3月）。

関東軍は“夢のパラダイス満州”を謳い、｢満蒙開拓移民団｣と称して、
日本の貧しい農村地帯の農民たちを煽った。

日本に見切りをつけた移民団が村ぐるみで次々と入植し、
満州はどんどんと発展した。

新興都市ゆえ一攫千金を夢見た人や実業家たちが集まり、
料理屋や女郎屋が繁盛。
料理屋に付きものの、芸者もどんどんやって来る。

映画スターの栗島すみ子劇団や、歌舞伎の一座も慰問にやって来る。
この頃満州には三味線屋があった。

稽古をしようかという子女もいたのだろうし、
芸者たちのニーズもあったのだろう。

ヨウはそんな大連にはるばる出かけ、文化譜による三味線の普及をめざして、
大連放送局から「文化譜三味線講座」を放送
（昭和10・1935年5月23日〜7月２５日）した。

　〓　〓　〓
tea break・海中百景
photo by　和尚