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Channel: 西園寺由利の長唄って何だ!
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木琴唄

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これは勝川春紅(生没年不詳)の役者絵「阿国御前化粧鏡」の「木琴唄」だ。
制作年は文化6(1809)年6月、森田座とある。


座頭、音のいち(初代尾上栄三郎・後菊五郎・3)が弾いているのが木琴だ。
三味線は奥女中、竹かわ(松本小次郎)、唄は奥女中、より尾(市川弁蔵・3)。
この時代にこんなに奇麗な木琴があったのだ。

何でも木琴は文化元(1804)年7月、川原崎座の
「天竺徳兵衛韓噺」(てんじくとくべえいこくばなし)に
木琴が登場して以来、そのエキゾチックな音色が人気となったらしい。

         


書き入れは木琴唄の歌詞だ(適宜漢字に変換)。

「本調子
 かねて手管と わしゃ知りながら
 口説き上手に つい惚れやすく
 だまされて咲く 室の梅
 三下り
 春の長日に 登りつめたる奴 いかいと めきられて
 今のくやしさ
 わしは青梅 揺り落とされて 
 霜と慣れようて 色づいた

 相つとめ 大評判 大でき 大でき」

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