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Channel: 西園寺由利の長唄って何だ!
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梅暦 見立八勝人 七

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これは歌川国貞(3代目豊国・天明6~元治元・1786~1865年)の浮世絵だ。
制作年は安政6(1859)年とある。
8枚続きの組み物になっていて、役者を描いているが特に芝居の演目ではないようだ。

これはその7枚目の絵で、「梅暦 見立八勝人 男達 宝船の鶴之助」 
(うめごよみ みたてはっしょうじん おとこだて たからぶねのつるのすけ)だ。
役者は5代目坂東彦三郎とある。

    


書き入れを見てみよう(ひらがなは適宜漢字に変換)。
七福神を読み込んだ文だ。

「問われてなんの 難波津(なにわづ)へ 放れぬ亀と 連れ立って
 寿老の鶴も 一のしに 時をば夷(えびす)大黒天
 布袋(ほてい・答えの駄洒落)られねえ おかしさは お江戸のおかげ 福禄の
 天窓(あたま)も押されず 毘沙門の 虎の威勢を 仮宅に
 弁財天満 島の内 波乗り船の 音にきく 
 のろけるようだが 一夜(ひとよ)でも とう(十)眠りの宝船
 枕に離れた 事はねえ」

「長き夜の とおの眠りの皆目覚め 波乗り船の 音のよきかな」
という回文も匂わせて、めでたい尽くしの文章だ。

枕に離れた=宝船の絵は枕の下に敷いて寝るから。
 
 

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