梅暦　見立八勝人　六

これは歌川国貞（３代目豊国・天明６～元治元・１７８６～１８６５年）の浮世絵だ。
制作年は安政６（１８５９）年とある。
８枚続きの組み物になっていて、役者を描いているが特に芝居の演目ではないようだ。

これはその６枚目の絵で、「梅暦　見立八勝人　男達　千鳥懸の毬之助」　
（うめごよみ　みたてはっしょうじん　おとこだて　ちどりがけのまりのすけ）だ。
役者は２代目沢村訥升とある。

　　　　


書き入れを見てみよう（ひらがなは適宜漢字に変換した）

「江戸紫の筑波根（つくばね）に　とのや　かみさま三ヶの荘
　曾我にゆかりの　千鳥懸け　あゆみの板や　羽子板の
　角（かど）立つ達衆（たてしゅ・侠客）の　その中で
　心も丸い毬之助が　色には引けを虎御前（曾我十郎の恋人）
　石に立ち番　念力の　遣り手の目顔（めかお）こっそりと
　二つ枕に　三つぶとん　引け四つ（吉原の終業時間）過ぎて
　明け六つ（朝６時頃）を　つくや手毬に　まずいっかん
　仮家（かりや）の手並みを　見せようか」