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Channel: 西園寺由利の長唄って何だ!
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上方芸妓

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これは西川祐信(1671~1750・寛文11~寛延3年)の浮世絵だ。
祐信は京都で活躍した絵師なので、この絵は上方芸妓の姿を描いたものだろう。
これから演奏を始めるのか、二人とも三味線箱から三味線を出して、調子を合わせている。
江戸の三味線箱は黒く塗られているが、上方は白木だったのだろうか。

羽織りを着ているところを見ると、深川の羽織り芸者の逆輸入か。
当時羽織りは男専用のものだった。

宮古路豊後掾が江戸下りして、江戸中に豊後節ブームを巻き起こした頃、
元号が享保から元文に変わり(1736年)、
貨幣も改鋳され、文の字が刻印された文字金(ぶんじきん)となった。

そこで当時はやっていた豊後風のファッションを豊後の「豊」と文金の「文」をかけて、
文金風(ぶんきんふう)とはやした。
髷の根を高くした島田髷は文金高島田といい、江戸中の女が結ったし、
ぞろりと長い文金風の羽織りを江戸中の若者が着た。

気っ風のいい深川の芸者がそれを真似、女だてらに羽織りを着るようになり
羽織芸者とよばれるようになったのだ。
   

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